2019年面白い海外ドラマはこれ!第71回エミー賞作品賞ノミネート8作品 個人的おすすめポイントを紹介
71st Emmy Nominations Announcement
9月になりました。今年もエミー賞の時期がやってきました!
アメリカテレビジョンアカデミー主催で行われる、TVドラマ、TV映画に贈られる賞です。
今年のエミー賞ドラマ部門作品賞には、8作品ノミネートされています。
年間数百本放送されるドラマの中から選ばれるということは、それだけでもう「おもしろいドラマ」だという証拠。
2019年の今、最高におもしろいドラマと認定された8作品について、詳しく解説した記事を海外ドラマboardさんにて、執筆させていただきました。
第71回エミー賞
— 峯丸ともか (@blua_birdo) 2019年9月2日
今、アメリカで人気のドラマをご存じですか?
ぜひチェックしてみてください!#ゲーム・オブ・スローンズ#ベター・コール・ソウル#キリング・イブ#ThisIsUs #PoseFX #オザークへようこそ#キング・オブ・メディア#ボディガード #emmys2019https://t.co/SALS366i1l
しかし、これだけではまだまだ言い足りない!
もっとたっぷり個人的意見を述べたい!
ということで、このブログで、記事の続きともいえるおすすめポイントをご紹介していきます。
今後、ドラマを見るときの参考にしていただければうれしいです。
それでは、スタート!
『ゲーム・オブ・スローンズ』最終章
2019年、個人的に面白かったドラマランキングでも1位になりそうな本作。
日米同時放送(2019年4月15日スタート日本時間)を視聴できたのは、本当に貴重な経験でした。
ワクワクしてTVの前に陣取るという興奮は、「海外ドラマファンで良かった!」と実感した体験です。
特に、第3話を観たときの興奮は、一生忘れられません。
最終章の第3話『The Long Night /長き夜』は、話の流れ、予想外の展開、そして、抒情詩の韻を踏むような美しいラストシーンと、完璧ともいえる素晴らしいストーリーです。
作品賞は、『ゲーム・オブ・スローンズ』で固い気もします。
『ベター・コール・ソウル』シーズン4
Better Call Saul Season 4 Comic-Con Trailer | Rotten Tomatoes TV
本作が面白いと感じるのは、絶妙に交錯し合うキャラクターたちの人生が、緻密に作り上げられているところです。
『ブレイキング・バッド』の企画者でもあるショーランナーのヴィンス・ギリガンの物語構成能力は、まさにマジカル!
本家の脇役だったキャラクター、ジミー・マッギル(のちのソウル・グッドマン)と、マイク・エルマントラウトが主役となり、本家『ブレイキング・バッド』の世界に徐々につながっていく描写は、もはや職人芸。
しかも、「悪人と一般人の違い(境界線)とは何か?」という本家のテーマが、『ベター・コール・ソウル』にも見事に引き継がれています。
ジミー役のボブ・オデンカークと、エルマントラウト役のジョナサン・バンクスの、絶妙にとぼけた雰囲気も、愛すべき要因です。
『キリング・イヴ』シーズン2
Killing Eve: Series 2 | OFFICIAL TRAILER - BBC
個人的な感想としては、女性サイコキラーを女性のエージェントが追いかけるというのは、新しい犯罪ドラマのカタチだと感じました。
しかも、主人公のイヴは、エージェントとして特別に優秀というワケでもなく、どちらかどいえばカンのいいおばさん刑事という感じ。
この雰囲気が主演のサンドラにピッタリで、彼女の明るい雰囲気が、残酷なサイコキラーのストーリーを深刻に感じさせず、英国ドラマ特有のブラックユーモアに満ちた作品に仕上げています。
また、殺し屋のヴィラネルは、かなり魅力的なキャラクターです。
賢くて、かわいくて、小悪魔的、そして残酷。
映画『羊たちの沈黙』(1991)のサイコキラー、ドクターレクターのような悪のカリスマ的魅力あふれる人物に仕上がっています。
演じているジョディ・カマーの、殺人を楽しんでいるかのようなサイコパスな演技力もキラキラ光っています。
『THIS IS US』シーズン3
「THIS IS US/ディス・イズ・アス シーズン3」12.4 DVDリリース/10.2 第1~9話デジタル配信開始
主演男優賞は、3年連続でノミネートされているマイロ・ヴィンティミリアに、獲得してもらいたい!
一家の父親として、夫として苦悩しながらも、前向きに生きる男の生きざまを爽やかに演じる姿に、心が洗われます。
ランダル役のスターリング・k・ブラウンも琴線に触れる演技を見せていますが、第69回エミー賞をすでに獲得しているので、今回は、マイロに主演男優賞を贈りたいなぁ。
また、今回のエミー賞で一番うれしかったのは、主演女優賞にマンディ・ムーアが、そして助演男優賞にトビー役クリス・サリヴァンがノミネートされていることです。
二人とも、派手な役柄ではないのですが、確実に周囲に良い影響を与える演技を見せており、ドラマ全体の雰囲気に多大に貢献しています。
すべての俳優たちのコラボレーション感が、最高に素敵なドラマでもあるのです。
『オザークへようこそ』シーズン2
個人的に2018年度にハマったドラマでもあり、筆者は本作を、2018年度に観た面白いドラマランキング第13位にランキングしました。(下記リンク参照)
https://kaigai-drama-board.com/posts/18336
一般人が麻薬カルテルの犯罪に巻き込まれるという感じが『ブレイキング・バッド』に似ていますが、マーティは資金洗浄をしているので、本人が犯罪という意識をあまり持っていないのがトラブルを呼び込んでいきます。
あくまでもビジネスといったテイで犯罪にハマる感じが、実は『ブレイキング・バッド』よりも恐ろしいのではないかと思えてきました。
特筆すべきは、犯罪ドラマの中で、女性たちがたくましくて魅力的なこと。
マーティの妻ウエンディは、かつて政治の世界にいただけに、笑顔で人を裏切れるタイプなのが恐ろしい。
地元の娘ルース役のジュリア・ガーナーも、幸せになりたい気持ちを持ちながらも、犯罪に引き戻されてしまう女性の悲劇性を見事に演じています。
『POSE』シーズン2
個人的にも、2019年にハマったドラマの一つです。
何よりもLGBTQの若者たちが作り上げたボール・カルチャーに衝撃を受けました。
文化というのは、必要に応じて必要な人たちによって作り上げられていくものなのだと思い知らされました。
さらに、LGBTQ文化を描く上で欠かせないのが、HIVの問題。
80年代、HIVはまだ謎の病気で、治療薬も今のように良いものが開発されておらず、HIVポジティブになった人々が次々と発症して亡くなっていきました。
多くの愛する人々を亡くしてきたLGBTQの人たちの悲しみ、憤りを感じさせるドラマにもなっています。
『succesion キング・オブ・メディア』シーズン1
シーズン1を鑑賞しましたが、第一話で登場人物の関係性を注意深く見極めることをお勧めします。
会話劇で物語が進行するので、関係性がはっきりしないまま視聴を進めると、誰がどの立場で話しているのか分からなくなり混乱してきます。一家の関係性も複雑なので、それも混乱する要因です。
登場人物は、まったく共感できない嫌味な人物ばかり。
それでも次男のケンダル(ジェレミー・ストロング)には、父親に愛されないという悲劇的な状況があり、長女のシヴ(サラ・スヌーク)は、優秀なのに女だから父親に信用されていないという逆境を抱えています。
個人的には、キーラン・カルキン(マコーレ・カルキンの弟)が演じる三男のローマンの傍若無人ぶりに度肝を抜かれました。
メディア王ローガンの甥にあたるグレッグ(ニコラス・ブラウン)の純粋な感覚だけが唯一の癒しです。
『ボディガードー守るべきものー』
『ボディガード -守るべきもの-』予告編 - Netflix [HD]
『ゲーム・オブ・スローンズ』のロブ・スターク役で人気の高い英国男優リチャード・マッデン主演。
相変わらずイケメンではありますが、今回はヒーローというよりPTSDを抱えた男の役柄なのが新鮮でした。
リチャード目当ての女子用の、セクシー部分もありつつも、きちんとしたサスペンスになっているので、なかなか見ごたえがあります。
テロと対決するロンドン市警の巡査部長をリチャードが演じるのですが、もしかしたら映画にしてもヒットしたかも?
と思うほど、ハラハラするシーンが続き、全6話イッキミしてしまいました。
シーズン2の製作がほぼ決定しているようですが、正式なアナウンスはまだです。