8月22日はチンチン電車の日。路面電車が印象的な映画『欲望という名の電車』
今週のお題「わたしと乗り物」
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本日は、東京で初めて路面電車(チンチン電車)が走った記念日(新橋〜品川)。
もはや、チンチン電車と言う人も少ないでしょうが、路面電車ってなんだかノスタルジーを感じます。
テネシー・ウィリアムズの戯曲を映画化した『欲望という名の電車』(1951)には、路面電車が印象的に登場します。
ニューオリンズの街で、欲望という名の路面電車に乗って、墓地行きに乗り換え、極楽で降りた女性ブランチ・デュボア(ヴィヴィアン・リー)が主人公。
白黒映像のなかで佇むヴィヴィアンが、切なくて儚くて、とんでもなく美しい。
彼女は、この時38歳で、現在であればまだまだ女盛りですが、当時は40女はもう女として扱われないという時代。
美貌を誇る女優として陰りが見え始めたヴィヴィアンと、お嬢様育ちで世間知らずの未亡人ぶっている主人公ブランチの境遇が重なり、とてつもなく切なく苦しい物語なのです。
この役をやれるのは私しかいない!という女優魂でブランチを演じたヴィヴィアン・リーの鬼気迫る演技は、みていて苦しくなるほどの迫力です。
本作で、アカデミー主演女優賞を受賞しています。
この映画のみどころをもう一つ。
ブランチを追い詰める粗野な男スタンリーを演じているのは、マーロン・ブランド。
マーロン・ブランドといえば『ゴッド・ファーザー』(1971)のでっぷりとしたコワモテおじさんを想像するかもしれませんが、本作のマーロンは、シュッとしたワイルドなハンサムなので、驚く人も多いと思います。
マーロンの眩しいほどの荒ぶる存在感に、ノックアウトされる映画でもあります。
ヴィヴィアン・リーとマーロン・ブランドという二人の名優の、演技を超えた演技を、ぜひその目で見て体感してもらいたいと思います。
苦しいけれど、貴重な体験になるはずです。
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